抑えきれない破壊衝動

アームドギアの形状や特性が、装者の心象に大きく左右されるように、聖遺物と精神状態は、密接な関係性を持っている。

ガングニールと融合して以来、響は時折、自分をコントロールできず、衝動に突き動かされるがままとなる状態となってきた。

それは、怒りや恐怖といった、本来誰でも持っていて然るべき負の感情がガングニールに作用し、共振増幅されていく中で防衛本能を経て、やがて、抑えきれない破壊衝動へと変質していった結果である。

当初は、非常に不安定なバランスで、響の精神状態とガングニールの力の均衡が成り立っていたのだが、弦十郎との鍛錬によって、自身に自信をつけていくことで、知らず制御できるようになっていた。

それでもデュランダルのような、何者の制御下にもない完全聖遺物との一時接触が引き起こす 共振・共鳴効果によってタガが外れたり、クリスの撃墜を目の当たりにしたばかりか、 彼女の尊厳を踏みにじられた際に覚えた怒りで制御不能に陥るなど、強くなったとはいえ、15歳の少女ひとりの精神力では、いまだコントロールしきれているとは言い難い状態でもある。

もうひとつの融合症例であるフィーネの場合は、響と比較して非常に安定した状態を保っているように思われる。これは、フィーネが数千年の時を生きてきた精神の怪物であるがゆえと推察される。



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